ワイヤレス充電は、物珍しい機能から、何百万人もの iPhone ユーザーの毎日の習慣になりました。しかし、便利さには代償があります。ケーブルをなくすことで、充電速度の面で何を手放しているのかを、Amperes 4 なら正確に測定できます。
速度差の背景を理解する
ワイヤレス充電の根本的な限界は、エネルギー伝送の効率です。誘導方式の充電では、送電中にエネルギーが熱として失われ、有線充電より通常 15~30% 多く損失が生じます。つまり、15W の MagSafe 充電器でも、バッテリーに届くのは 15W ではなく、熱損失を差し引いた約 10~12W です。一方、20W の USB-C ケーブルなら、定格に近いワット数が充電コントローラに直接届きます。
実測:MagSafe と USB-C ケーブル
バッテリー残量 30% の iPhone 15 で Amperes 4 を使ったときの、実際の典型的な数値は次のとおりです。
- USB-C ケーブル + 20W Apple 製アダプタ(急速充電モード):約 9V で約 2,200~2,500mA ≈ 20~22W
- USB-C ケーブル + 12W Apple 製アダプタ:約 5V で約 1,200~1,500mA ≈ 6~7.5W
- MagSafe + 20W Apple 製アダプタ(15W の MagSafe モード):約 9V で約 1,100~1,300mA ≈ 10~12W
- 標準的な Qi パッド(iPhone での 7.5W モード):約 9V で約 700~900mA ≈ 6~8W
- 標準的な Qi パッド(5W モード):約 5V で約 500~650mA ≈ 2.5~3.25W
MagSafe と Qi の違い
MagSafe は、iPhone 12 で導入された Apple 独自の磁石式ワイヤレス充電システムです。iPhone 12 以降で最大 15W の充電が可能で、磁石による正確な位置合わせでコイルの効率を最大化し、認証と電力交渉のためのデジタルプロトコルにも対応しています。標準的な Qi は、iPhone では 7.5W が上限です(Qi 向けの Apple の「iPhone に最適化されたモード」)。どの Qi 充電器でも iPhone を充電できますが、15W に達するのは、Apple の MagSafe 充電器と、認証を受けた MagSafe エコシステムのアクセサリだけです。
ワイヤレス充電のほうが発熱しやすい理由
ワイヤレス伝送で失われたエネルギーは熱になり、充電器と iPhone の両方で発生します。Amperes 4 のユーザーからは、特に MagSafe のワイヤレス充電では、同程度のワット数のケーブル充電よりも、本体が目に見えて温かくなるという声がよく寄せられます。この熱は、長い目で見ると、バッテリーの劣化をわずかに早めます。ワイヤレス充電を毎日長く続けるなら、充電方法を考えるうえで頭に入れておく価値があります。
有線よりワイヤレスを選ぶべきとき
- 急いでいない、机やベッドサイドでの継ぎ足し充電。ワイヤレスの便利さは、速度を犠牲にする価値があります。
- ケーブルが手元にないが、MagSafe パッドはあるとき。
- iPhone を頻繁に手に取ったり置いたりする場面。ケーブルの抜き差しが不要です。
- 速度が重要な場面ではワイヤレス充電を避ける(すぐに出かけるので、できるだけ多く充電したいときなど)。
- 高温の環境や、熱がこもるケースを付けたままのワイヤレス充電は避ける。
背面が温かくなる場合は、MagSafe を使うときに iPhone のケースを外しましょう。磁石による密着は、Apple 製のシリコーンケースや MagSafe 対応ケースで最も効果的に働き、MagSafe に対応していない厚手のケースではコイルの位置合わせの効率が下がり、Amperes 4 に表示される mA 値が低くなります。